1. 凍結濃縮事業

凍結濃縮事業

凍結濃縮事業

凍結濃縮事業

濃縮とは、液体から水分を取り除いて、濃度の高い液体とするプロセスです。
例えば、果汁ジュース等は、消費地までの輸送コスト低減のため、生産工場での濃縮により水分を除去し、全体量を少なくし、輸送されます。
消費地まで運ばれた後で、除去された分の水を注ぎ足す(=還元)ことで、濃縮前の状態にされ、販売されます。
また、そのままでは水分が多く、効果が薄い抽出液も濃縮することで成分濃度を高め、香料(フレーバーやフレグランス)の原料として利用できるようにしたりしています。一般的に広く利用されている濃縮方法としては、熱による(減圧)蒸発濃縮や逆浸透法による膜濃縮があります。

凍結濃縮(とうけつのうしゅく)とは

明和工業では、凍結濃縮という技術に着目し、その装置の製造・販売を行っております。
凍結濃縮とは、液体中の水分を凍結させ、水分と液体中の物質を分離し、物質濃度を高める濃縮方法です。この方法は、熱による成分劣化や成分消失がなく、液体の品質を保ったまま、濃縮できるのが特徴です。しかしながら、濃縮処理時間が長かったり、設備が大がかりなものになってしまうため、その方法を採用する会社は少ないのが現状です。

明和工業の凍結濃縮技術の強み

明和工業の凍結濃縮は、界面前進凍結濃縮という凍結濃縮方法を採用し、
従来の凍結濃縮方法の課題を克服し、濃縮処理時間の短縮や設備の小型化を実現しました。
この方法による濃縮では、溶液濃度が極端に低い(ほとんど水に近い)ものに対する濃縮効果が非常に大きくなります。
特に蒸発凝縮水、蒸留水、水抽出液や水溶性香料などへの採用がお勧めです。

界面前進凍結濃縮(Progressive Freeze-Concentration)

界面前進凍結濃縮

  • 界面前進凍結濃縮(Progreesive Freeze-Concentration)界面前進凍結濃縮(Progreesive Freeze-Concentration)
    • 特徴
      • 液体の撹拌により、氷への成分流入を防ぐことができる。
      • 冷媒と濃縮液の温度をコントロールすることで、短時間での凍結濃縮ができる。
    • メリット
      • 成分が損なわれず、かつ、基本は変化しない。
      • 液体濃縮率に比例した成分濃縮ができる。
      • 消費エネルギーを抑えることができる。(熱の1/5)
濃縮効果(社内試験実績に基づく)
  • 香気成分分析データ(現役と比較したピーク比)

    ※原液を1とした場合での倍率数値となっています。

  • 試験液体 フローラルウォーター(ローズダマスク)の500倍希釈液
    ※希釈は純水で行っております。
    使用装置 撹拌式凍結濃縮装置(PFC-M10)
    濃縮液回収率 35%(水分除去:65%)
    濃縮倍率(原液比) 2.9倍

従来の濃縮方法との比較

  • (減圧)蒸発濃縮

    界面前進凍結濃縮(Progreesive Freeze-Concentration) 成分表
    特徴
    • 加熱により、高速で大量の液体濃縮ができる。
    • 香気成分や旨味成分が加熱で品質劣化する。
    • 熱に弱い成分は熱により失われてしまう。
    • 弱い香気成分は吸引ファンで取り除かれてしまう。
  • 膜濃縮

    界面前進凍結濃縮(Progreesive Freeze-Concentration) 界面前進凍結濃縮(Progreesive Freeze-Concentration)
    特徴
    • 熱による成分消失を防ぐことができる。
    • 逆浸透法により、効率的な濃縮ができる。
    • 逆浸透膜の孔よりも小さい成分は膜を透過してしまう。
    • 膜のメンテナンスや交換が必要となる。

界面前進凍結濃縮

  • 特徴
    • 低温(氷点下)で処理するため、成分の品質劣化は無い。
    • 熱による成分の揮発や劣化を防ぐことができる。
    • 水のみを凍結するため、液体の成分バランスを崩さない。
    • シンプルな構造のため、部品交換やメンテナンスは少ない。
  • 付加価値の高い
    濃縮液の生産が可能

参考データ(膜濃縮方法との比較データ)

下図は凍結濃縮・膜濃縮した濃縮液に除去した水分を戻し(濃縮還元し)、成分バランスを分析したものです。
膜濃縮(逆浸透)に比較し、成分バランスは原液にほとんど近い形となっているのが分かります。

  • 膜濃縮方法と凍結濃縮方法の比較データ

    ※ 原液を1とした場合での倍率数値となっています

  • ▼ 膜濃縮(逆浸透)および界面前進凍結濃縮(凍結濃縮)の2種類の方法で濃縮し、濃縮後の液体を分析しました。

    試験液体 ラ・フランス果汁の蒸発凝縮水
    使用装置 循環式凍結濃縮装置(PFC-C10)
    濃縮液回収率 27%(水分除去:73%)
    濃縮倍率(原液比) 3.67倍

試験サービス

明和工業株式会社では、専用の試験室(FReC Labo.)にて、有償での濃縮試験サービスを行っております。
凍結濃縮を扱っている会社は少なく、技術自体がまだ一般的ではないため、
その特徴やメリットもよく知られているものではありません。
まずは、どのような効果が得られるのか、実際にお客様が取り扱っている液体を使って、凍結濃縮の試験を行っています。

膜濃縮方法と凍結濃縮方法の比較データ
試験設備ラインナップ
  • 撹拌式凍結濃縮装置(PFC-M10)
  • 循環式凍結濃縮装置(PFC-C10 / PFC-C50)
試験実施最低容量
1,000ml
※但し、撹拌式凍結濃縮装置に限ります。その他の装置は装置の定格容量の液体が必要となります。
試験実績
  • 濃縮試験サービス 試験実績
    • 蒸留水(ブドウ、樹木水、クロモジなど)
    • 蒸発凝縮水(牛乳など)
    • 香料(水抽出液、溶媒抽出液、アルコール抽出液)
    • 食品類(豆乳、コーヒー、牛乳、果汁ジュースなど)
    • アルコール類(日本酒、焼酎)、その他多数

試験プランはお客様のご要望に応じて、弊社営業担当が提案致します。
まずは、以下のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。